【開催報告】ウーマンエンパワーオンラインアワード2022

スピードと不確実性が増し、人口構造・社会構造も変化しているいま、ますます経済合理性の観点からもダイバーシティ&インクルージョンの必要性が認識されています。

男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」 (経済・教育・政治・保健の4分野のデータから、男⼥にどれだけの格差が存在しているかを分析/世界経済フォーラム(WEF)2022年版)の日本の総合順位は依然146カ国中116位(先進国最下位)となっています。男女の所得格差は厚労省「賃金構造基本統計調査」をみても依然として大きく、G7では日本は最下位です。

実態として多様な人材のよい視点と異能を生かし合う社会にはまだ遠いことから、努力している企業と、もっと事例・情報を共有することで流れを盛り上げていきたいという想いでこの活動は始まりました。

ウーマンエンパワープロジェクトは、女性活躍という言葉がなくなる社会に賛同する企業と、「全ての人が働きがいをもてる社会づくり」「女性の組織内地位の向上」の推進を応援しています。

【審査員コメント 株式会社キャリア・マム 代表取締役 堤香苗氏】

育児短時間勤務制度を小学校卒業まで取得可能な制度導入や、ベビーシッター費用を会社が負担するなど、継続的な子育て世代に寄り添った取り組みをされています。社員スタッフの声を大切にし、その声を独自の制度へと繋げる企業としての真摯な姿勢が評価されました。真の女性活躍のためには、男性の働き方も含めた変革が必要と、男性の育休取得を促し、その様子を社内広報で紹介するなど着実な変革への動きが見られ、しっかりと取り組まれている点や、時代に合わせて自社で出来るSDGsの取り組みにも向き合われている点も高く評価されました。

【審査員コメント 株式会社FeelWorks社長/株式会社働きがい創造研究所会長/青山学院大学兼任講師 前川孝雄氏】

2006年から「朝日生命ポジティブ・アクション」を通じて、「女性のキャリア開発」「仕事と家庭の両立支援」を続けておられます。結果として女性リーダー比率は31%に到達し、着実に成果を伸ばしている点が評価されました。男性育児休職取得率も毎年100%を達成しています。また、「イキイキと働く。そして成長する」をスローガンとして、継続的な働き方改革の推進に取り組まれ、現在は「第3フェーズ」に入っており、職員の満足度向上にも目標をもって取り組まれています。役員クラス女性意思決定者の誕生はまだこれからということで今後ますますの成果に期待します。

【審査員コメント】

「ママ・パパ投票」ではWEBから多くの票が集まりました。勤務時間の自由化、時短でも公平に評価される環境と、「家族より大切な仕事はない」との考え方が全社員に浸透し、お互いがフォローし合う環境がママパパには魅力的に映ったのだと思います。男性育休取得率100%の実現を目指し、2021年夏に男性取締役が率先して育休を取得。時短ママの執行役員を登用するなど、実際にロールモデルを示すことで、社員それぞれの未来像が明確化されると思います。日本のママたちの前向きな「はたらく」を牽引いただいているということで、引き続き注目しております。

当日は、殿堂入り・(株)シーボンの取締役 執行役員 瀧様に応援コメントもいただきました。

 ウーマンエンパワーアワード2022総括

【審査委員長 NPO法人ファザーリング・ジャパン/理事NPO法人コヂカラ・ニッポン /ライフシフト・ジャパン/副会長 川島高之氏】 

受賞されました各社関係者の皆様、おめでとうございます。ライフイベントやスタイル変化があっても、女性が仕事に対して高いエンゲージメントを持ち続けられる仕組みは、育休が増えている男性にとっても不可欠になってきます。またその仕組みは、社員の働く時間の減少につながりますが、それでも従来通りの成果を出してもらうための工夫と、働く時間や場所に制約の無い社員への「逆差別」にならない配慮が求められます。魔法の杖は無いですが引き続き頑張って下さい。そのためにも、人的資本経営、心理的安全性、1on1、アンコンシャスバイアス、チームビルディング、時間泥棒の退治、共感型マネジメントなどを当たり前に実施できる「イクボス」を増やしていきましょう。

【ウーマンエンパワー協会 代表理事 谷平優美】

例年のアワードを通じて、少しずつですが着実に企業の女性活躍やダイバーシティ推進のフェーズが上がってきているように感じています。以前は女性の両立やキャリア支援、男性の育休取得などの話題が多かった印象ですが、近年はさらに進んだ取り組みとして「全社員の働き方と文化をどのようにつくるか」「どう従業員満足度や生産性を上げるか」というテーマが目立っており、全従業員における業務効率化や、働き方の柔軟性をテーマにしている取り組みが多い印象でした。まだまだ課題は多く、行政、各家庭、起業それぞれでできることを進めていく必要はありますが、ウーマンエンパワーアワードとしても、女性活躍というテーマを通じて、結果的に全従業員が働きやすく働きがいをもてる職場づくりに繋がっていくこと、本質的な女性活躍の意味や必要性が浸透していくことで、「女性活躍という言葉がなくなる社会」になっていくことを願っております。

▼オンラインアワード プレゼンの様子


株式会社SAKURUG

朝日生命保険相互会社

株式会社ノバレーゼ

まだ途上の日本において、女性活躍という言葉がなくなる社会のために少しでも発信できたらと思っております。引き続き、ウーマンエンパワーの活動を一緒に盛り上げていただきたく、ご支援・ご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

                                               2023/2/14