【取材】女性管理職は約半数 「みんなに同じ機会と選択肢を」 自分らしく働ける環境づくりが大事/(株)ゼネラルパートナーズ

ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みや専門家の取材をしています。

今回は、障がい者雇用のパイオニア、(株)ゼネラルパートナーズに、D&Iや女性活躍推進に関連する制度・風土づくりを人事企画室長の佐々木様に取材しました。

<企業概要> 株式会社ゼネラルパートナーズ(東京都千代田区)
設立:2003年 従業員数: 約260名(2022年7月現在)
事業内容:人材紹介サービス、求人情報サービス、就労移行支援事業、就労継続支援A型事業

【WEA事務局・谷平】(以下、事務局) 御社は障害者雇用という事業そのものがダイバーシティ&インクルージョンを体現されていますが、創業時と比べて企業さんの反応や風向きも変わってきているのではないですか?

A.  【ゼネラルパートナーズ・人事/佐々木氏】(以下、GP佐々木)
創業当初は、差別・偏見をなくしたいという所がスタートでしたが、そういった話自体が古い価値観となり、今では障害者雇用を積極的にやっていきたいという企業が非常に増えました。以前は障害者の雇用を義務として定める法定雇用率があっても、世の中の意識は低かったですが、最近はこういったダイバーシティ&インクルージョンをしっかり取り組むことが企業競争力につながる、という考えが広まり、弊社としても前向きな提案がしやすくなったと実感しています。

【事務局】御社の社内の多様性という点で、女性や障害者の比率はどうなっているのでしょうか?

A. 【GP佐々木】全雇用形態を含めて女性は全体の65%、管理職でいうとマネージャーは45%、室長・シニアマネージャーは50%、部門長は30%となっています。障害者は15.55%、人数でいうと41人です。障害のある人が各部門で活躍しており、管理職を担う人も複数名います。

【事務局】2017年にGPクレド(ゼネラルパートナーズのビジョンをまとめたもの)の策定にあわせて、多様な働き方への対応を整備しだしてから上記のような数字になってきたとのことですが?

A. 【GP佐々木】はい、まずは大事にしたい価値観・ビジョン・理念を浸透させるというソフト面を重要視しています。

GP CREDOは飛行機型


そのうえで、働き方の柔軟性をあげてきました。
働き方はコアタイムなしのフルフレックス制で、1日8時間(月160時間)自由な形で働けます。また、誰でも時短制度も使えます。1日5時間(月100時間)から30分単位で選択でき、子育てだけでなく副業などどんな理由でも取得可能なので、選択している社員は全体の20%います。

リモートワーク体制もコロナ前から整っていました。
必要があれば出社してくださいという形なので、私もそうですが、多くの社員がリモートワーク中心で、年に1回しか会わないなどもよくあります。
バーチャルオフィスもありますし、必要に応じてオンライン会議で話しているので不便は感じていませんが、就労移行など出社が基本の事業もありますし、教育・育成については先輩の仕事をリアルにみることも大切なので、チームで相談して出社するなど各自で工夫をしています。

【事務局】文化醸成とあわせて働き方の柔軟性を上げたことで効果があったわけですね。御社は副業可能ということですが、実際に本業への影響というのはどうお感じですか?

A.【GP佐々木】5人に1人が何らかの副業を経験しています。
大学講師や手話通訳、オンラインカウンセリング、ソーシャルベンチャーの支援など幅広い副業が選択されていて、本業のパフォーマンスをきちんと出していれば副業OKとしています。
社外の動きに敏感になったりして本業に生かせることもありますし、当初想定していたよりも重たい副業とうまく両立できず苦戦した例もあります。それはそれでそういうこともある、と受け入れて次に生かしていただければいいのかなと考えています。

【事務局】かなり前から働き方の柔軟性や自由度が高いのが当たり前の環境である、という文化が本当のD&Iに重要なんでしょうね。御社の障害者雇用という事業に関わりたいと入社される社員の皆さんはそもそもビジョンの「誰もが自分らしくワクワクする人生」に共感しているベースがあるので文化醸成も早そうですね。

A.【GP佐々木】そうですね。ビジョンへの共感、価値観の浸透がベースとして重要で、そこへの社員の意識の高さがあって成り立っていると思います。女性管理職についても数字目標をつくったことはなく、働き方を整備したことで自然に増えています

細かい取り組みでいくと、ファミリーサポート休暇という家族のケアや行事・祝い事などに1時間単位で利用できる特別休暇が5日間付与されています。また、LGBTQの観点で事実婚でも同じ制度を使えるというあり方にしています。誰でも公平に同じように使えるという点は大事かと思います。
評価についてはグレードに対するミッションを定めたミッショングレード制をとっており、半年に1回実績と行動を評価しています。昨年から360°ギフトという互いに良い点、改善できそうな点をフィードバックしあう仕組みをいれました。自由であるがゆえに、成果への公正な評価と適度な緊張感が必要と考えています。

【事務局】働き方の柔軟性を整備したことで自然と女性管理職も増えていったということですが、それでも昇進したい人が少ないと世の中的によく言われている傾向は御社にもあったんでしょうか?

A.【GP佐々木】傾向としてですが、社内では女性は昇進したいという軸を持つ人が少ないと思います。しかし、自信がないなどの理由が多く、管理職になりたくない=成長意欲が低いわけではありません。女性はお客様のために実現したいことや、身につけたいスキルという軸で意欲をもっている場合が多いので、本人の話をきくと、それなら結果的に管理職を手段としたらいいのでは、と思います。実際、その流れで、気づいたら管理職になっているという方が多いのかなと。

【事務局】そのマネジメントの働きかけはいいヒントですね!昇進したくない=やる気がない、ということではなく、本人の方向性やイメージと管理職がうまく結びつけられていないことが多いから、上司や人事がサポートしてあげるといいわけですね。

A.【GP佐々木】男女という区別はあまり考えていませんが、やはり「数」は大事で影響を及ぼすと感じています。女性管理職が少ないと結果的に後輩はイメージがつかない、ああいう人にはなれない、と思いやすくなります。やはり数や事例を増やすことは有効です。

「背中を見せる、リーダーシップをとる」というような昔の管理職像と違い、今必要なマネジメントはボトムアップ型。メンバー1人1人が主役でマネージャーに必要なのはその舵取りです。管理職が偉いわけでもないし、弊社はマネージャーより上のグレードの社員がチームメンバーに入っていることだってあります。以前に比べて女性も強みをいかしたりやりたい方向性に結び付けて管理職にチャレンジしやすくなっているのではないでしょうか。

【事務局】働き方の柔軟性を上げることに加えて本人の意欲の方向性と管理職をつなげてあげるマネジメントサポート、そして公平な評価のもと事例を増やしていく、という流れで今の当たり前ができあがってきているんですね。

A.【GP佐々木】そうですね。
そして、性別・障害・国籍といった違いを受けとめ当たり前に内包しながら、「みんな同じ」をどうつくるかだと思っています。男性の育休取得者も増えてきましたし、副業や時短も男性を含めて取得事例が増えています。障害者のある人にも、配慮はしても特別扱いはしません。それぞれの個性や強みをいかして、自分らしく活躍できるフィールドを用意することが大切だと考えています。そういったあり方が「誰もが自分らしくワクワクする人生」に繋がると思っています。

人事企画室長 佐々木さん

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