ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みや専門家の取材をしています。
今回は、社員のリモートワーク率98%の(株)グローバルウェイに、リモート運営や女性活躍推進に関連する制度・風土づくりを営業マネージャーの佐々木さんに取材しました。
<企業概要>株式会社グローバルウェイ(東京都渋谷区)
設立:2004年 従業員数: 87名(2022年3月31日時点)
事業内容:プラットフォーム事業、セールスフォース事業、メディア事業、リクルーティング事業、シェアリングビジネス事業
【事務局・谷平】(以下、事務局)御社のダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについて教えてください。
A. 【グローバルウェイ・佐々木氏】(以下、佐々木)
制度としては主に6つあります。
1つ目に、フルフレックス制です。時間の制約をなくし、7時~22時の就業時間のなかで裁量を個人に任せていますので、プライベートを含む時間の捻出をしやすい働き方です。
2つ目に、正社員のみが対象ですが、5日連続の特別休暇制度があります。2日・3日と分けて利用することも可能で、社員は土日を含みリフレッシュのために使っています。
3つ目に、入社してからすぐ最大5日間※の有給休暇が取得できることです。子どもの行事や介護など業務に合わせてどなたでも休暇をとりやすくしていますね。(※4月1日~9月30日に入社の場合で、入社時期によって異なる)
4つ目は、法定を超える充実制度として、子どもが小学校4年生終了時まで短勤務制度が使えます。人事面談を通して本人の希望があれば6~7時間の時短勤務が可能です。
やはり制度だけつくって終わりではだめで、周囲の理解が大事だと思います。当社は、「周囲の理解醸成」とセットで運用しています。理解醸成を並行していることで制度が使いづらいという空気はありません。
5つ目は、外国人雇用です。創業19年目にして初めて新卒採用をスタートしました。3名の新卒社員は全員韓国籍でコロナ渦において韓国と日本のオンライン面接を通して採用しうち2名は女性です。
最後6つ目は、管理職研修の充実です。講師は役員や社外からなどさまざまで、グローバルウェイで成長マインドの考え方を学ぶ機会があります。今期は自己成長を促す研修など8回にわたる研修を対面式とオンラインを組み合わせて実施しています。
社外研修ツールも利用しており、個々のキャリア形成にあわせてより実りある研修を受講しています。研修内容を実際の業務で実践して成長機会創出を目指すことができる環境です。今後働き方向上のもと、更に女性管理職も増やしていきたいと思います。

【事務局】リモートワークから出社を増やす、という企業の揺り戻しの動きが増えているようですが、御社は運営に難しさはないんでしょうか?
A.【佐々木】何かあればTeamsのチャット機能や通話を通してコミュニケーションをとっており特に支障は感じていません。新人研修についても入社直後は上司とオンライン画面を繋げたまま仕事をして、作業画面を共有しながらオンラインで指導育成ができています。
私自身は営業部ですが、逆に、通勤時間がない、全国どこへでも営業ができる、全国の優秀な人材と出会える、というメリットの方が大きいですね。
部下にも趣味のサーフィンのために千葉に引っ越して当社に転職してきて、毎朝ひと波サーフィンを楽しんでから業務にあたるというリーダー的社員がいます。
そのほかにも、ご主人が転勤族で、どこに引っ越しても仕事ができるからと転職をしてきた子育て中の優秀な社員もいます。
また、週1回のオンライン定例などで業務の振り返り・KPI数値や営業戦略等大事なことも含めコミュニケーションは密に時間を使っていますので、オフラインじゃないとできないという仕事はないと感じています。
営業に関してもお客様の認識もコロナ以降はオンラインで当たり前と変化していて抵抗は感じないですし、訪問の営業経費が削減できることで結果的にサービスを安く提供できるなどのお客様への還元メリットに繋がります。
【事務局】2019年度のウーマンエンパワーアワードでも、御社は在宅営業人材の応募が40人から1000人超えとなって優秀な人材の獲得がしやすくなったというお話を役員の方がされていましたが、人材難の時代に大きな経営メリットとして活用できているということですね。
A.【佐々木】働く女性が増えている時代とはなりますが、まだまだ子育て時期は家庭優先となり日々時間に追われ出勤・フルタイム勤務・残業等が発生することに困難性があることが現状です。そのため、優秀な人材が働きたくても働くことを制御せざる負えない環境だったかと思います。当社も優秀な社員がリモートでないと働けなくなったという声が上がったことがきっかけで改革が進みました。ライフスタイルの変化を理解し、長期的に優秀な社員に働き続けてもらうために、会社も様々な環境と風土の整備をしてきました。
結果的に、採用成功とともにリモートワークの体制が当たり前となり、限られた時間内で生産性良く働ける環境となっています。個人的には、通勤時間短縮に加えて、隙間時間に家事などもできることで心身の負担が軽くなっているメリットは大きいです。

【事務局】リモート中の成果の把握や評価はどのようになっているのでしょうか?
A.【佐々木】可視化することが大事であると考え、常に業務マニュアルやKPI達成度を社員同士で共有できるようにしています。部署によっては進捗を視覚化できる自社開発プログラムを活用しているところもあります。当社の主力事業であるプラットフォーム事業が活かされています。
評価については半年に1回、目標に対しての成果を上司とすり合わせて振り返り、年2回昇給・昇格のチャンスがあります。
やはり突発的な休みの際にチームで協力し、カバーするために大切なことは、その人の日々の業務に向き合う姿勢です。
しっかりと普段から業務に向き合っていれば気持ちよく仲間がフォローしてくれます。そのために普段からメンバーには自分で抱え込まず、同僚や上司と協力して流れが止まらない仕組みを意識してほしいと話していますね。
【事務局】これまでのご経験から、女性活躍推進や働き方改革を模索する企業へのメッセージをお願いします。
A.【佐々木】人材獲得は企業にとって重要な経営課題です。
優秀な方は、結婚しても子どもを産んでも優秀です。本人が望んでいるのであれば、活躍の場を提供してあげてほしいです。親の介護なども誰でも起こりうることです。
そういった変化に対しても対応できる当たり前の環境と風土づくりをぜひしていきましょう。
介護も子育ても、自分の思い通りにならないからこそ、時間マネジメントスキルも上がりますし、客観的に物事を見る力も鍛えられます。仕事以外の色々な経験は、仕事力、人間力に繋がり、結果的に会社に還元されていると考えています。

家族:4人家族(私、主人、娘2人‥26歳と19歳)
※長女昨年結婚・次女国立病院看護学生(熊本)
在籍:2017年入社。(勤務5年目)
現役職:営業マネージャー
2017年契約社員として入社
正社員条件の売上を達成し、2018.1~正社員
2020~サブマネジャーを経て、マネージャーとして現在に至る
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