【取材】 時間と場所の制約を取り払い成果にフォーカスする/株式会社CaSy

ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みを取材しています。

今回は、ウーマンエンパワーアワード2023で最終ノミネートされた株式会社CaSyに、ダイバーシティ&インクルージョンや女性活躍推進の取り組みを伺いました。

<企業概要>株式会社CaSy(東京都品川区)

設立:2014年

資本金:606,545,000円

従業員数: 社員26人(パートアルバイト含め48人)

売上高:1,335百万円

事業概要:暮らしの中の時間を創るプラットフォーム
      家事代行
      その他暮らしのサービス等(ハウスクリーニング、整理収納)

Q. 家事代行サービスはここ最近増えてきていますが、好業績・好待遇を実現しているCaSyさんの特徴はどこにあるのでしょうか?

私たちは「大切なことを、大切にできる時間を創る」ということをミッションに掲げ家事代行のサービスを提供しています。

CaSyの事業を通じてより多くの人の家事負担が軽減され、家事代行をご依頼された方が本来持ちたかった豊かな時間を過ごすことにつながるように。そして、家事代行キャストは無償労働だった家事をスキルとして、十分な報酬や働きがいを得られる環境作りに努めたいと考えています。

大切にしたい時間を創るために創業当初より「テクノロジー」に注力してきました。

独自開発のマッチングシステムでは、これまで人が介在する雇用型・派遣型の家事代行サービス業界と比較すると人件費が削減できるため、家事代行のサービスを1時間2790円~と低価格を実現しました。サービス提供までの時間も業界平均は2週間程度でしたが、最短3時間前までのオーダーを実現し、24時間365日いつでもご依頼・変更もできます。

つまり、「より早く、安く」を実現しています。

テクノロジーを強みにしているからこそ、ご登録いただいているキャスト数の1.2万人に対し本部の正社員は26名のみ。お客様に低価格で家事代行サービスを提供するだけに止まらず、働いてくださるキャストの待遇に還元したいと考え、キャストの報酬は1時間あたり最高1,850円の高報酬を実現しています。

Q.   時間ではなく成果で評価し、フルフレックス・フルリモートで事業運営ができているということですがどういう仕組みでしょうか?

働いた時間ではなく、創出した成果の総量で評価します。MBOでグレードごとに3ヶ月に1回のサイクルで評価しています。

「テクノロジー」に注力するため、創業当初よりエンジニア比率は比較的高い傾向にありました。成果の見えやすいエンジニアはコロナ禍以前よりリモートワークを中心に働いていたこともあり、どうすれば成果マネジメントができるかのコツと理解があったと思っています。自身が入社した2018年より全社的に働く場所と時間の制約を撤廃して働き方を整備していきました。

女性は働きたくないわけじゃないんです。社会が多様な働き方を受容しない、女性にとって働きにくい環境を作っていると感じています。

出産しても場所や時間の制約を取り除けば働きたいという女性も多く存在しています。

まず、勤務時間の制約の撤廃です。当社は深夜の時間帯を除いた5:00~22:00までの間で好きな8時間を選んで働くコアタイム無しのフレックスタイム制です。なので保育園への送迎、授業参観などを大切にしながら、しっかり働くワークスタイルを皆がそれぞれにデザインしています。また1日2時間勤務でも10時間勤務でも成果が同じであれば給与は同じです。成果にコミットするからこそ、勤務時間の制限を設けていません。

次に働く場所の制限の撤廃です。

オフィスへ出社する人を前提にするのではなくて、「基本的に全員がオフィスにいない」という前提で働き方や協働のあり方をデザインすることが大事だと考えています。

そのため情報を活用可能な状態でいつもオープンにする必要があると考え、積極的にクラウド活用をしています。また、話したいときはすぐに話せるように、SlackやZoomなどのチャネルも用意しています。

さらに、あえて口頭でしっかりと伝えたい経営情報は、週次、月次、クオーターに1度、年に1度の全社集会をもうけています。

仕事ではなくカジュアルにおしゃべりしながら顔の見える関係づくりをする場として、部署を超えたシャッフルランチも関係性の構築に役立っていますね。

Q. キャリアルートも2コースにされたり、独自の休暇や提案の制度など、取り組みを様々に導入されていますが具体的にはどういう取り組みなのでしょうか?

従来のキャリアルートはマネジメントを目指すゼネラリストコースのみでしたが、専門性や技術力などの発揮による会社への貢献を評価するプロフェッショナルコースを新設したことで個人の適性と意向を考慮した多様な成長のあり方を尊重しています。

休暇に関しては、フルフレックスなのでわざわざお休みを取らなくても習い事の送迎や授業参観など参加はできてしまいます。なので、誕生日や運動会など、1日休みたいという人向けにFamily Smile休暇制度を設けました。

また、制度は与えられ守るだけのものではない。「一人ひとりの大切にしたいことは多様であり、変化する」という前提で、 すべての社員が自らの望む働き方の実現のために人事制度を提案でき、実際に社員が発したいくつもの案が制度化されています。

さらに、子育て中の社員が6割を超える自社内においても、自社サービスを4割引で利用できるようにし、仕事と家庭の両立やキャリアアップ支援のひとつとしています。

Q. 家事代行スタッフのキャストの好待遇と働きがいにも注力されていますね。

実は、CaSyキャストは業務委託契約であり、社員ではありません。しかしCaSyにとって大切な存在です。多くは主婦で構成されるCaSyキャストが、無償労働だった家事をスキルとして、十分な報酬と働きがいを得られるよう仕組みづくりに投資し続けています。

キャスト自身が、働く時間や場所、担当するお客様を選べる多様な働き方を提供していますし、お客様からの喜びの声に触れる評価システムや、キャスト同士が学び合い高め合うことができるコミュニティ等を構築しています。

ベテランキャストが自身の自宅を開放して新人キャストを育成する「おうち研修」という取り組みも行っています。業界でも類を見ない互助機構です。現場スタッフとしては体力的に厳しくなってくるベテランキャストが、収入を0にしてしまうことなくその情熱やナレッジを活かしてセカンドキャリアにつなげられるようにした仕組みでもあります。

Q. 御社のような、働く側の働き方とやりがいと待遇がリンクした仕組みが広がっていくために何が重要だと感じますか?

私たちは採用・評価・登用…あらゆる基準に「属性」を置いていません。

「成果」と「行動」のみです。

お母さんになったら働かないでしょ?ではなく、会社側が時間や場所の制約を取っ払うだけでみんなが成果を出してくれます。

成果を出せるかどうかは、制限がある人の問題ではなく、管理側の問題です。その人を「制約社員」にしなければいいのです。

最後に、私たちのお客様の多くは共働き世帯であり、妊娠や出産といったライフイベントを経ても働き続けたい、仕事と家庭を両立させたいと願う女性たちがたくさんいらっしゃいます。
CaSyの家事代行サービスを利用することでその願いを叶えていただきたい。

正社員で入社した女性たちが結婚出産で5割が辞めてしまう、管理職を目指す気力も奪われる日本において、より早く、安く安心して使えるCaSyのサービスを通じてキャリア支援、ジェンダー平等の促進をしたいと考えています。

リンクアンドモチベーションで、経営理念、ビジョンを策定・浸透するプロジェクト、M&A に伴う意識統合、求心力向上プロジェクト、女性社員の活躍促進、継続就労促進のためのプロジェクト等を多数手がける。妊娠出産に伴う専業主婦経験も有する。
参議院議員公設秘書、リクルートホールディングスでの CSR/CSV 推進、労働における人権を尊重するリクルート人権方針の策定等を経て、2018 年 CaSy(カジー)にジョイン、取締役 CHRO に就任。


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