【取材】 顧客に繋がる評価制度と、経営側が変わる大事さ/(株)メディアファースト

ウーマンエンパワー協会では、さまざまな企業の取り組みを取材しています。

今回は、ウーマンエンパワーアワード2023で最終ノミネートされた株式会社メディアファーストに、ダイバーシティ&インクルージョンや女性活躍推進の取り組みを伺いました。

<企業概要>株式会社メディアファースト(東京都中央区)

設立:2014年

従業員数: 11人(業務委託が中心)

事業内容:WEBマーケティング、広告代理店事業

Q. 代表の山田さんは弁理士を辞めて未経験のWEBマーケティング業界で起業されています。いろいろな場所からフルリモートで働くスタッフがいらっしゃるんですよね。

弁理士をしていましたが、全く違うことに挑戦したいと創業して、最初は代表の私1名と事務やパートナーで小さくスタートしました。現在(24年1月)では男性4名と女性7名の業務委託を中心に運営しています。

業務は特に1か所に集まる必要がないので、主婦や兼業の方などを採用させていただき時給制でフルフレックス・フルリモートで働いていただいています。広告業は未経験の方の採用が中心ですね。

ビジネスSNSのWANTEDLYでは「注目度ランキング」「トレンドランキング」で1位を獲得できました。約4万社がWANTEDLYで採用活動を行っているため、実質4万社のトップに選ばれました。

弊社のスタッフは、イタリア、フランス、イギリス、フィリピン、カンボジアなど過去を含めると多様な場所で働いています。

Q.「オフィスを捨てたマーケティングカンパニー」とのことですが、その運営を可能にするために取り入れている取り組みは何でしょうか?

WCM(Will Can Must)フレームワークを導入していて、本人がやりたいことをやっていくことと、顧客の悩みを解決することを両立しながら成長できるよう支援しています。

社内外のミーティングは週1~隔週1回ありますが、お子さん同席も可能としています。リモートワークの課題は、やはり「信頼関係を育むハードルが高い」こと。チャットが中心の業務やりとりなこともあり、オフィス一か所で働く環境よりも関係構築の難易度が上がります。なので、ちょっとしたことでも相手に「わかっている」「認めている」ということがわかるような対応や振る舞いも大事かなと思っています。

例えば主婦・ママが17時台にメールを返信してくれたとする。買い物や子どもの世話で忙しい合間に、急いでパソコンをあけて対応してくれたということですよね。それって以前は正直当たり前だと思ってしまっていたけれど、今は連絡してくれたことに感謝を伝えるようにしています。

オフィス勤務に比べて、この人はこういう大変さがある、などと相手の立場に想像力を働かせることが、見えにくかったり声をかけにくい。だからこそ冷たい印象にならないように配慮した振る舞いがコミュニケーションの取り方としても大事だと感じています。

また、評価制度も売上・利益を行動に分解したうえで、「233個の項目」に落とした制度をつくりました。各自の申請とエビデンスを元に評価をし、それによって本人が成長したことで、生産性が上がり、顧客に喜んでもらえることや、給与・待遇に反映されることに繋がる仕組みにしています。

Q.このような仕組みづくりに舵を切ったきっかけはあったんでしょうか?

5年ほど前に、スタッフが全員辞めてしまったのを機にあり方を考え直しました。正直、以前は経営者として「自分が正しい」「あなたらがおかしい、力が足りない」というどこか傲慢な価値観が根底にありました。

その発想を捨てて、譲れないことはもちろんあるとしても、「自分は間違っているのかもしれない」と考えるようになったんですね。僕が気付いてないだけで、実はみんなはいいアイディアをもっていると思うようになりました。

離職が続いたことから社内でアンケートを取ったらいろんな意見が出てきたので、1つ1つ耳を傾けて小さなことも改善しました。

例えばとても小さい話だと、「社長の会議の服装をもっとちゃんとしてほしい」とか「ホームページの代表写真はもっと笑顔で撮るほうがいい」なんて意見もありました。一見、しょうもない小さい1つ1つのことを改善することで、上司に意見して採用された、という気持ちになってもらいたい。233段階の評価基準のうちのひとつに「自分よりもランクが高い人に指摘をして行動を改善させた」という項目がありますし、行動というアウトプットが大事だと考えています。

否定されるから思っていることが言えない、という社風では何も変わりません。自分の中では常識と思っていたことと違う、思いもよらなかった意見が出て解決に繋がることがあります。だからこそ、上長が変えやすいことから変える。とりあえず受け入れてみる。目の前の小さいことが変えられなかったら何も変えられない、と思うんです。

Q.上長が変わる大事さを実感されたんですね。今後の方向性はどうお考えですか?

自分自身、弁理士から広告プランナーへ大きく変化させたことが、一番の成功体験です。だから、経営者としても常に自分の変化を意識していますね。

メンバーも、急速に変化する世の中に柔軟に対応していけるよう、会社全体で舵取りをしながら、WEBマーケティングの新しい世界をメンバーと一緒に切り拓いていきたいです。また、人材不足の影響は弊社も受けていくと思います。だからこそ人がやらなくていいことはシステムにやってもらい効率と生産性を高める、という形にはしていきたいですね。

Web広告の改善で売上をもたらす専門家。1984年生まれ。日本大学法学部卒業。2011年に弁理士として『知的財産法判例教室』(正林真之監修・共著)を執筆。2014年に(株)メディアファーストを設立。Web広告の運用代行を開始。取引先にはオンラインスクールやコンサル業が多く、セミナーや情報コンテンツの販売など、無形サービスへの集客を得意とする。株式投資セミナーのWeb広告運用では、データ分析と改善を繰り返し、広告の費用対効果400%を実現。セミナー主宰者の「集客ができない」「開催しても黒字にできるか」という不安を解消し、WEB広告を運用することにより、安定的な集客と売上を顧客にもたらしている。愛される商品、価値あるサポートを、Webを通じて必要な人に届けることを使命とし、広告運用だけでなく、マーケティング指導も行っている。


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